制作への想い
その昔、ムーンという猫がいました。
弱っていたところを私に保護され、家猫となったムーン。甘えん坊で食いしん坊。小さな体で病気と闘った逞しい子。私のかわいいムーン。
”最愛”を亡くす喪失感は計り知れないものです。
ぬいぐるみはどんな技術をもってしても、まばたきもしなければ鳴いたり動き出したりすることはありません。
けれどもご依頼主さまからのお話やお写真をもとに、その儚く愛らしい姿を忠実に再現し、一針一針心を込めて制作させていただくことで、まるであの子が帰ってきたかのような幻影を生み出すことができます。
”たかがぬいぐるみ”とお思いになるかもしれません。
ですが、飼い主さまが名前を呼び、やさしく抱きしめてくださったり、お気に入りの場所に座らせてくださることで、
やがてその存在は”あの子がそばにいてくれているような安心感”へと変わり、かけがえのない思い出と共にこの先も飼い主さまの心をあたため続けてくれます。
Atelier Moon のぬいぐるみが、だれかの希望のひとかけらになれば嬉しいです。
Atelier Moon 愛猫造形作家 Rihoh Saitoh